ログとトレースの確認
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1. 監視・分析機能の全体像
Difyには大きく分けて3つの監視・分析機能があります。
- ログとアノテーション (Logs & Annotations) - 個別の会話履歴を確認し、回答の評価や修正(アノテーション)を行う機能。
- トレース (Tracing) - ワークフロー内の各ノード(LLM、検索、条件分岐など)の入出力や実行時間を詳細に追跡する機能。
- モニタリング (Monitoring) - アプリ全体のトークン消費量、コスト、ユーザー数、RPS(リクエスト数/秒)などの統計情報を時系列で確認するダッシュボード。
2. ログとアノテーション(会話履歴)
ユーザーとの実際のやり取りを確認し、AIの回答精度を向上させるための機能です。
2.1 確認手順
- 左側メニューの 「ログとアノテーション (Logs & Ann.)」 をクリック。
- 「ログ (Logs)」 タブで会話リストから対象を選択。
2.2 確認できる情報
- ユーザー入力とAI出力: 実際の会話内容。
- メタデータ: 実行日時、レイテンシ(応答速度)、消費トークン数。
- フィードバック: エンドユーザーによる「いいね/よくないね」の評価。
2.3 アノテーションによる改善(重要)
ログ機能の最大の目的は「改善」です。
- 改善手順: AIの回答が不適切だった場合、管理者がその回答を編集・修正し、「アノテーション」として保存できます。
- 効果: これにより、次回同様の質問が来た際に、修正済みの回答を優先的に使用させることが可能になります(モデルの再学習なしで精度を向上させる仕組み)。
3. トレース機能(詳細デバッグ)
「なぜその回答になったのか」「どこでエラーが起きたか」を技術的に深掘りする機能です。
3.1 トレースの確認方法
- ログ詳細画面にある 「トレース (Trace)」 ボタン(またはフローアイコン)をクリック。
- ワークフローの各ノードが実行順に表示されます。
3.2 詳細分析のポイント
- 検索ノード (Knowledge Retrieval):
- 「どのようなキーワードで検索されたか」
- 「どのドキュメントチャンクがヒットしたか(スコア含む)」
対策: 検索結果が悪い場合、ナレッジのセグメント設定や検索設定(Top K, Threshold)を見直します。
- LLMノード:
- 「実際にLLMに送られたプロンプト(コンテキスト含む)」
対策: プロンプトに不要な情報が混ざっていないか、システム指示が反映されているかを確認します。
- 条件分岐・コード実行:
- 変数の値が正しく渡されているか、ロジック通りに分岐したか。
本格的な運用では、設定から LangSmith や LangFuse などの外部LLMOpsツールと連携させることで、より高度なトレース管理・分析が可能です。
4. モニタリング(統計・運用状況)
個別の会話ではなく、アプリ全体の健全性を把握します。
4.1 確認項目
- コストとトークン: 期間ごとのトークン消費量とコスト推移。
- パフォーマンス: 平均応答時間(Latency)、リクエスト数。
- ユーザー利用状況: アクティブユーザー数、会話数。
4.2 運用での活用
- コスト管理: 想定以上にトークンを消費している場合、モデルの変更やプロンプトの圧縮を検討します。
- 異常検知: エラー率や応答時間が急増していないか定期的にチェックします。
5. トラブルシューティングガイド
ケース1:回答が事実と異なる(ハルシネーション)
- 調査: トレースで「知識検索」ノードを確認。
- 原因: 参照ドキュメントがヒットしていない、または無関係な情報を拾っている。
- 対応: ナレッジベースの整備、検索設定(しきい値)の調整。
ケース2:応答が遅い
- 調査: トレースで各ノードの「実行時間」を確認。
- 原因: 特定の外部API連携が遅い、またはLLMモデルが高負荷(GPT-4など)。
- 対応: モデルの軽量化(GPT-4o-mini等)、タイムアウト設定の見直し。
ケース3:意図しない回答拒否
- 調査: 入力モデレーション(検閲)機能のログを確認。
- 対応: 「センシティブワード設定」や「入力ガードレール」の緩和、またはシステムプロンプトの調整。
6. まとめ
Difyの運用サイクルは以下の通りです。
- モニタリングで全体の傾向と異常を把握。
- ログで具体的な会話を確認し、ユーザーの評価をチェック。
- トレースで問題の原因(検索精度やプロンプト)を特定。
- アノテーションやアプリ設定の修正で改善を実施。
このサイクルを回すことで、AIアプリケーションの信頼性と品質を継続的に向上させることができます。
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最終更新日 February 20, 2026