トラブルシューティング

1. トラブルシューティングの基本フロー

問題が発生した際は、以下のステップで対応を行ってください。

  1. 再現確認: 発生条件、頻度、影響範囲を整理する。

  2. ログ・トレース確認: Difyの「ログ」および「トレース」機能で、どのノードで時間がかかっているか、エラーが出ているかを確認する。

  3. 切り分け: 原因がLLM、ナレッジ(RAG)、外部ツール、ネットワーク、設定のどこにあるかを特定する。

  4. 処置: 設定変更、修正、またはロールバックを実施する。

  5. 検証: テスト環境で動作確認後、本番環境で同条件の再試験を行う。

  6. 恒久対策: 監視アラートの追加、ナレッジの整備、手順化を行う。

2. よくある問題と解決策

ケース1:応答が生成されない

症状: 無限ローディング、エラーメッセージ表示、タイムアウト

原因
対処・確認項目

公開設定の不備

アプリが公開状態になっているか、APIキーや許可ドメインの設定を確認してください。

ワークフローのエラー

デバッグ画面で実行し、失敗しているノードを特定します。入力/出力変数の受け渡しミスがないか確認してください。

設定/認証エラー

APIエンドポイント、環境変数、シークレットキー(API Key)が正しいか再確認してください。

外部ツールの停止

連携している外部ツール側で障害やタイムアウトが発生していないか、curl等で疎通確認を行ってください。

ケース2:応答品質が低い

症状: 的外れな回答、情報不足、幻覚(ハルシネーション)

原因
対処・確認項目

プロンプト不備

System Promptでの役割定義、制約条件、出力形式の指定を具体化してください。

ナレッジ不足

参照すべき情報がナレッジベースに含まれているか、検索ヒットしやすい表現か確認し、ドキュメントを追加・更新してください。

モデル選定

より高性能なモデルへの変更や、Temperature(温度)パラメータの調整を検討してください。

ケース3:応答が遅い

症状: 回答生成に時間がかかる、タイムアウト頻発

原因
対処・確認項目

入力過多

System Promptを簡潔にし、不要なコンテキストを削減してください。

ナレッジ取得過多

ナレッジ検索設定の「Top K」(取得チャンク数)を減らすか、要約ノードを導入してください。

ツール遅延

外部APIの応答速度を確認し、タイムアウト値の延長やキャッシュ利用を検討してください。

ケース4:機能不全(検索・ツール)

症状: 検索結果0件、ツールエラー

原因
対処・確認項目

インデックス未反映

ナレッジベースの同期状況を確認し、再取り込みを行ってください。

検索スコア低

「Score Threshold」(類似度しきい値)を下げて調整するか、ドキュメントのセグメント設定(チャンクサイズ)を見直してください。

ツール認証エラー

APIキーの期限切れ、権限スコープ不足、リクエストパラメータの型不一致を確認してください。

3. デジタルヒューマン固有の問題

音声合成やアバターを介する場合の特有の問題への対処です。

応答が不自然・読み上げにくい

  • プロンプト調整: System Promptで「話し言葉で」「句読点を適切に」「一文を短く」といった指示を追加してください。

  • 禁止ワード設定: 読み上げソフトが誤読しやすい記号や表現を禁止します。

回答が長すぎる

  • トークン制限: モデル設定のmax_tokensを適切な長さに制限してください。

  • 指示による制御: プロンプトで「結論から述べる」「〇〇文字以内で」と制約を設けてください。

知ったかぶり(幻覚)の防止

  • 制約プロンプト: 「ナレッジベースに情報がない場合は『分かりません』と答えること」を明記してください。

  • アノテーション活用: よくある質問(FAQ)には、Difyの「アノテーション(Annotation Reply)」機能や固定ルールを使用し、回答を固定化・安定化させてください。

    プロンプト調整

4. 運用・保守体制

緊急度の定義と連絡先

緊急度
定義
対応

サービス停止、全ユーザー影響、情報漏洩

直ちに開発担当およびプロバイダーへ連絡

一部機能不全、性能劣化

当日中に調査開始、回避策の検討

軽微な表示崩れ、再現性低

次回メンテナンス時に対応

定期チェック・予防策(推奨)

  • エラー率監視: エラー率がしきい値(例: 5%)を超えた場合のアラート設定。

  • 応答時間監視: 平均応答時間が基準(例: 5秒)を超過していないか確認。

  • ナレッジメンテナンス: 定期的なドキュメントの更新とインデックス再同期。

  • クォータ管理: モデルプロバイダーやツールのAPI利用枠・クレジット残高の確認。

最終更新