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問題診断ガイド

MiniPrem の問題を診断する

サポートへ連絡する前に診断情報を収集するための初心者向けガイド

目次


サポートへ連絡する前に

ミニプレム(MiniPrem)のインストールで何らかの問題が発生した場合、サポートへ連絡する前に適切な情報を収集しておくと、問題の解決がより早く進みます。本ガイドでは、5 つの基本的な診断ステップを順を追って説明します。

本ガイドで学べること:

  • 実行中のデプロイ種別を特定する方法

  • プラットフォームが実際に稼働しているかを確認する方法

  • サービスが正常な状態かを確認する方法

  • ログの所在と読み解き方

  • WebRTC 接続の診断方法

  • 動作確認(レンダリング・TTS・リップシンク・会話)チェックリスト

  • サポートへ連絡する際に提供すべき情報

ヒント:問題が発生していない場合でも、これらのステップを定期的に実行することで、システムをより深く理解できます。

事前診断スクリプト(miniprem_precheck)

インストール前および稼働後の初動切り分けには、デジタルヒューマン株式会社が提供する事前診断スクリプト miniprem_precheck を実行し、結果ファイルをサポート窓口へ送付いただくとスムーズです。OS / CPU / メモリ / ストレージ / GPU / ネットワーク到達性(Docker Hub・api.uneeq.io・hosted-experience.jp など)・Azure TTS 13 リージョンの RTT 平均・WebRTC を想定したパケットロス品質判定までを 1 コマンドで収集し、miniprem_precheck_YYYYMMDD_HHMM.txt として保存します。

スクリプトの全コマンドと判定基準は 前提条件と事前診断 を参照してください。 パケットロスの 5 段階品質判定(優秀 / 良好 / 注意 / 警告 / 不適)の詳細とネットワーク要件は ネットワーク要件 にまとめています。


ステップ 1:デプロイ種別を特定する

MiniPrem は 2 種類の環境で稼働できます。どちらの方式を使用しているかを把握することが、トラブルシューティングの第一歩です。

Docker デプロイ(単一マシン)

以下に該当する場合は Docker を使用しています:

  • ./docker/scripts/install_miniprem.sh を使ってインストールした

  • ./miniprem.sh start|stop|status でサービスを管理している

  • すべてのコンポーネントが単一マシンで動作している

確認方法:

出力例(Docker デプロイ):

インストールタイプ(default / custom)の判定:

Docker デプロイの場合、どの docker-compose ファイルが使われているかは .miniprem_install_type ファイルで判定できます。トラブル切り分け時に対象 compose ファイルを特定する際に利用してください。

使用される compose ファイル
内容

default

docker/docker-compose.default.yml

デフォルト(Default Install)構成

custom

docker/docker-compose.yml

フルインストール(Full Install)またはカスタム構成

Kubernetes デプロイ(クラスター)

以下に該当する場合は Kubernetes を使用しています:

  • kubernetes/scripts/ 配下のスクリプトでデプロイした

  • kubectl コマンドでサービスを管理している

  • ワークロードがクラスター内の複数ノードにまたがって動作している

確認方法:

出力例(Kubernetes デプロイ):

なぜ重要なのか

  • Docker:問題は通常、コンテナ設定、ポート競合、ローカルリソースに関連します

  • Kubernetes:問題はクラスターのネットワーク、ノードのスケジューリング、クラウドプロバイダー設定に関わる場合があります


ステップ 2:プラットフォームが稼働しているか確認する

個別のサービスを確認する前に、基盤となるプラットフォーム(Docker または Kubernetes)が稼働していることを確認してください。

Docker デプロイの場合

Docker Engine が稼働しているか確認します:

正常な出力:

異常な出力:

Docker が稼働していない場合は起動してください:

Kubernetes デプロイの場合

kubectl からクラスターへ到達できるか確認します:

正常な出力:

異常な出力:

クラスターへ到達できない場合:


ステップ 3:サービスの正常性を確認する

ここから、MiniPrem のサービスが稼働しており、正常な状態かを確認していきます。

Docker デプロイの場合

ステータスコマンドを実行します:

正常な出力(すべてのサービスが正常):

実機での出力例(NAME / IMAGE / SERVICE / STATUS / PORTS フォーマット):

実際の MiniPrem では docker compose ps 相当の以下のような表形式で出力されます。STATUS 列に Up <経過時間> (healthy) が表示されていれば、Renny コンテナはヘルスチェック合格の正常稼働状態です。

問題発生時の出力(サービスが異常):

コンテナ状態の意味:

状態
意味
対応

Up X hours (healthy)

サービスが稼働しており正常に応答している

対応不要

Up X minutes (unhealthy)

サービスは稼働中だがヘルスチェックに失敗している

ログでエラーを確認

Exited (1)

サービスがエラーでクラッシュした

ログ確認後、再起動

Exited (0)

サービスが正常終了した

必要に応じて再起動

Restarting

サービスが再起動ループに入っている

クラッシュ原因をログで確認

個別コンテナのヘルスを確認します:

Kubernetes デプロイの場合

Pod の状態を確認します:

正常な出力:

問題発生時の出力:

Pod 状態の意味:

状態
意味
対応

Running

Pod が正常に稼働している

READY 列を確認(1/1 であること)

Pending

Pod がスケジューリング待ち

ノードのリソースとイベントを確認

CrashLoopBackOff

Pod がクラッシュと再起動を繰り返している

kubectl logs でログを確認

ImagePullBackOff

コンテナイメージを取得できない

イメージ名とレジストリ認証情報を確認

Error

Pod の起動に失敗した

ログとイベントを確認

問題のある Pod の詳細を取得します:


ステップ 4:Renny を個別に確認する

Renny はデジタルヒューマンの中核サービスです。正常に応答していることを確認しましょう。

ヘルスエンドポイントの確認

Docker の場合:

Kubernetes の場合(クラスターへアクセス可能なマシンから):

正常な出力(Renny が正常):

問題発生時の出力(Renny が異常):

ヘルスエンドポイントが応答しない場合:

Renny の代表的なヘルス関連の問題

問題
想定される原因
解決策

platform: disconnected

API キーが無効、またはネットワークの問題

configuration.dat の認証情報を確認

speech: error

Azure Speech の認証情報が無効

Azure のリージョンと speech key を確認

まったく応答がない

Renny がクラッシュ、またはポートが公開されていない

コンテナのログを確認

status: starting

Renny がまだ初期化中

1〜2 分待ってから再確認


ステップ 5:ログを収集する

ログには、サービス内部で起きていることに関する詳細な情報が含まれます。所在と読み解き方を以下に示します。

ログの確認

Docker の場合:

Kubernetes の場合:

ログ形式の理解

Renny は JSON 形式のログを出力します。読み解き方は以下のとおりです。

ログエントリ例:

主なフィールド:

  • timestamp:イベントが発生した時刻

  • log_level:重要度(debug、info、warn、error、fatal)

  • message:発生した内容

  • client_session_id:対象のユーザーセッション(該当する場合)

ログ内のエラーを探す

エラー検索(Docker):

エラー検索(Kubernetes):

エラー出力の例:

ログをファイルに保存する

サポートへ連絡する際は、ログをファイルに保存してください。

Docker:

Kubernetes:

ログレベルの意味

レベル
意味
注意すべきタイミング

debug

詳細な診断情報

深いトラブルシューティング時のみ有用

info

通常動作

想定どおりであり、問題ではない

warn

潜在的な問題

記録に値し、将来的な問題の兆候の可能性

error

何らかの失敗

必ず調査するべき。何かが失敗している

fatal

致命的な障害

サービスがクラッシュした可能性が高く、即時対応が必要


ステップ 6:WebRTC 接続を診断する

デジタルヒューマンの映像が表示されない、もしくはセッション中に切断・コマ落ちが発生する場合、WebRTC レイヤーの一次切り分けを行います。

サーバ側ポートの到達性確認

P2P 構成では、表示端末から MiniPrem ホストの UDP 動的ポート(49152-65535)への接続性が必要です。

TURN/STUN 構成では、TURN サーバーへの到達性も確認します。

ブラウザ側での確認(chrome://webrtc-internals/)

デジタルヒューマンを表示している端末の Google Chrome で chrome://webrtc-internals/ を開き、ICE 接続状況と候補タイプを確認します。

ファイアウォール開放ポート(共通 / P2P / TURN)の早見表とホワイトリスト対象 FQDN は ネットワーク要件 を参照してください。


ステップ 7:動作確認チェックリスト

サービスがすべて稼働している場合でも、エンドユーザー観点で「正常に動作している」と判断するには、実際にセッションを開始して以下の 4 項目を確認してください。

実行中のセッションに対してデジタルヒューマンへ発話指示を送信し、以下が正常に機能することを確認します。

いずれかに失敗する場合は、症状に応じて トラブルシューティングガイド の該当セクションを参照してください。


クイックチェックリスト

サポートに提供する情報を収集する際は、以下のチェックリストをご利用ください。

必須情報

追加コンテキスト(取得可能な場合)

サポートチケットへ記載する情報

サポートへ連絡する際は、以下を含めてください。


次のステップ

最終更新