問題診断ガイド
MiniPrem の問題を診断する
サポートへ連絡する前に診断情報を収集するための初心者向けガイド
目次
サポートへ連絡する前に
ミニプレム(MiniPrem)のインストールで何らかの問題が発生した場合、サポートへ連絡する前に適切な情報を収集しておくと、問題の解決がより早く進みます。本ガイドでは、5 つの基本的な診断ステップを順を追って説明します。
前提条件を満たす環境の準備はお客様の責任において実施いただきますようお願いいたします。デジタルヒューマン株式会社では前提条件を満たすための環境構築のサポート、ドライバー等の不具合に対する対応作業は提供しておりません。
2026年6月現在、デジタルヒューマン株式会社の正式サポート対象はデフォルト(Default Install)の Renny のみです。フルインストール(Full Install)に含まれる Renny 以外のサービス(vLLM、Flowise、RIME AI、NVIDIA RIVA、Whisper など)はサポート対象外です。
本ガイドで学べること:
実行中のデプロイ種別を特定する方法
プラットフォームが実際に稼働しているかを確認する方法
サービスが正常な状態かを確認する方法
ログの所在と読み解き方
WebRTC 接続の診断方法
動作確認(レンダリング・TTS・リップシンク・会話)チェックリスト
サポートへ連絡する際に提供すべき情報
ヒント:問題が発生していない場合でも、これらのステップを定期的に実行することで、システムをより深く理解できます。
事前診断スクリプト(miniprem_precheck)
インストール前および稼働後の初動切り分けには、デジタルヒューマン株式会社が提供する事前診断スクリプト miniprem_precheck を実行し、結果ファイルをサポート窓口へ送付いただくとスムーズです。OS / CPU / メモリ / ストレージ / GPU / ネットワーク到達性(Docker Hub・api.uneeq.io・hosted-experience.jp など)・Azure TTS 13 リージョンの RTT 平均・WebRTC を想定したパケットロス品質判定までを 1 コマンドで収集し、miniprem_precheck_YYYYMMDD_HHMM.txt として保存します。
ステップ 1:デプロイ種別を特定する
MiniPrem は 2 種類の環境で稼働できます。どちらの方式を使用しているかを把握することが、トラブルシューティングの第一歩です。
Docker デプロイ(単一マシン)
以下に該当する場合は Docker を使用しています:
./docker/scripts/install_miniprem.shを使ってインストールした./miniprem.sh start|stop|statusでサービスを管理しているすべてのコンポーネントが単一マシンで動作している
確認方法:
出力例(Docker デプロイ):
インストールタイプ(default / custom)の判定:
Docker デプロイの場合、どの docker-compose ファイルが使われているかは .miniprem_install_type ファイルで判定できます。トラブル切り分け時に対象 compose ファイルを特定する際に利用してください。
default
docker/docker-compose.default.yml
デフォルト(Default Install)構成
custom
docker/docker-compose.yml
フルインストール(Full Install)またはカスタム構成
Kubernetes デプロイ(クラスター)
以下に該当する場合は Kubernetes を使用しています:
kubernetes/scripts/配下のスクリプトでデプロイしたkubectlコマンドでサービスを管理しているワークロードがクラスター内の複数ノードにまたがって動作している
確認方法:
出力例(Kubernetes デプロイ):
なぜ重要なのか
Docker:問題は通常、コンテナ設定、ポート競合、ローカルリソースに関連します
Kubernetes:問題はクラスターのネットワーク、ノードのスケジューリング、クラウドプロバイダー設定に関わる場合があります
ステップ 2:プラットフォームが稼働しているか確認する
個別のサービスを確認する前に、基盤となるプラットフォーム(Docker または Kubernetes)が稼働していることを確認してください。
Docker デプロイの場合
Docker Engine が稼働しているか確認します:
正常な出力:
異常な出力:
Docker が稼働していない場合は起動してください:
Kubernetes デプロイの場合
kubectl からクラスターへ到達できるか確認します:
正常な出力:
異常な出力:
クラスターへ到達できない場合:
ステップ 3:サービスの正常性を確認する
ここから、MiniPrem のサービスが稼働しており、正常な状態かを確認していきます。
Docker デプロイの場合
ステータスコマンドを実行します:
正常な出力(すべてのサービスが正常):
実機での出力例(NAME / IMAGE / SERVICE / STATUS / PORTS フォーマット):
実際の MiniPrem では docker compose ps 相当の以下のような表形式で出力されます。STATUS 列に Up <経過時間> (healthy) が表示されていれば、Renny コンテナはヘルスチェック合格の正常稼働状態です。
問題発生時の出力(サービスが異常):
コンテナ状態の意味:
Up X hours (healthy)
サービスが稼働しており正常に応答している
対応不要
Up X minutes (unhealthy)
サービスは稼働中だがヘルスチェックに失敗している
ログでエラーを確認
Exited (1)
サービスがエラーでクラッシュした
ログ確認後、再起動
Exited (0)
サービスが正常終了した
必要に応じて再起動
Restarting
サービスが再起動ループに入っている
クラッシュ原因をログで確認
個別コンテナのヘルスを確認します:
Kubernetes デプロイの場合
Pod の状態を確認します:
正常な出力:
問題発生時の出力:
Pod 状態の意味:
Running
Pod が正常に稼働している
READY 列を確認(1/1 であること)
Pending
Pod がスケジューリング待ち
ノードのリソースとイベントを確認
CrashLoopBackOff
Pod がクラッシュと再起動を繰り返している
kubectl logs でログを確認
ImagePullBackOff
コンテナイメージを取得できない
イメージ名とレジストリ認証情報を確認
Error
Pod の起動に失敗した
ログとイベントを確認
問題のある Pod の詳細を取得します:
ステップ 4:Renny を個別に確認する
Renny はデジタルヒューマンの中核サービスです。正常に応答していることを確認しましょう。
ヘルスエンドポイントの確認
Docker の場合:
Kubernetes の場合(クラスターへアクセス可能なマシンから):
正常な出力(Renny が正常):
問題発生時の出力(Renny が異常):
ヘルスエンドポイントが応答しない場合:
Renny の代表的なヘルス関連の問題
platform: disconnected
API キーが無効、またはネットワークの問題
configuration.dat の認証情報を確認
speech: error
Azure Speech の認証情報が無効
Azure のリージョンと speech key を確認
まったく応答がない
Renny がクラッシュ、またはポートが公開されていない
コンテナのログを確認
status: starting
Renny がまだ初期化中
1〜2 分待ってから再確認
ステップ 5:ログを収集する
ログには、サービス内部で起きていることに関する詳細な情報が含まれます。所在と読み解き方を以下に示します。
ログの確認
Docker の場合:
Kubernetes の場合:
ログ形式の理解
Renny は JSON 形式のログを出力します。読み解き方は以下のとおりです。
ログエントリ例:
主なフィールド:
timestamp:イベントが発生した時刻log_level:重要度(debug、info、warn、error、fatal)message:発生した内容client_session_id:対象のユーザーセッション(該当する場合)
ログ内のエラーを探す
エラー検索(Docker):
エラー検索(Kubernetes):
エラー出力の例:
ログをファイルに保存する
サポートへ連絡する際は、ログをファイルに保存してください。
Docker:
Kubernetes:
ログレベルの意味
debug
詳細な診断情報
深いトラブルシューティング時のみ有用
info
通常動作
想定どおりであり、問題ではない
warn
潜在的な問題
記録に値し、将来的な問題の兆候の可能性
error
何らかの失敗
必ず調査するべき。何かが失敗している
fatal
致命的な障害
サービスがクラッシュした可能性が高く、即時対応が必要
ステップ 6:WebRTC 接続を診断する
デジタルヒューマンの映像が表示されない、もしくはセッション中に切断・コマ落ちが発生する場合、WebRTC レイヤーの一次切り分けを行います。
サーバ側ポートの到達性確認
P2P 構成では、表示端末から MiniPrem ホストの UDP 動的ポート(49152-65535)への接続性が必要です。
TURN/STUN 構成では、TURN サーバーへの到達性も確認します。
ブラウザ側での確認(chrome://webrtc-internals/)
デジタルヒューマンを表示している端末の Google Chrome で chrome://webrtc-internals/ を開き、ICE 接続状況と候補タイプを確認します。
ファイアウォール開放ポート(共通 / P2P / TURN)の早見表とホワイトリスト対象 FQDN は ネットワーク要件 を参照してください。
ステップ 7:動作確認チェックリスト
サービスがすべて稼働している場合でも、エンドユーザー観点で「正常に動作している」と判断するには、実際にセッションを開始して以下の 4 項目を確認してください。
実行中のセッションに対してデジタルヒューマンへ発話指示を送信し、以下が正常に機能することを確認します。
いずれかに失敗する場合は、症状に応じて トラブルシューティングガイド の該当セクションを参照してください。
クイックチェックリスト
サポートに提供する情報を収集する際は、以下のチェックリストをご利用ください。
必須情報
追加コンテキスト(取得可能な場合)
サポートチケットへ記載する情報
サポートへ連絡する際は、以下を含めてください。
次のステップ
問題が解決しない場合は? サービス別の詳細な解決策については トラブルシューティングガイド を参照してください
セットアップで困っている場合は? はじめに に戻ってください
アーキテクチャを理解したい場合は? サービス概要 を参照してください
最終更新
